木の家を建てる設計事務所
古来より日本の住まいは木でつくられてきました。
骨組みから仕上げまで大小さまざまな木材で構成する伝統木造の技術は、長い時間を経て洗練され、世界に類なき発展を遂げました。
建物ばかりでなく生活の道具の多くが木でつくられ、常に身近に木があり、木に支えられ暮らしてきたのが日本人です。
木の住まいには、適度な湿度を保つ調質性、カビ・ダニを抑制する作用、熱を伝えにくく温かみがあること、やわらかく衝撃を抑えること、自然な色合いや美しい木目を持つこと、音の響きがよいこと、良い香りと消臭作用を持つことなど、人の健康によい影響を与える様々な特性が認めらます。
木と共に暮らしてきた私たち日本人のDNAには、これらを知る感性が元より刻まれているのです。
現在でも新築される戸建て住宅の半数以上は木造ですが、新建材で覆われ木の良さを感じることのできない建物が少なくありません。
また近年持ち直しつつあるものの、建築に使われる木材のうち輸入材が7割を占めるのは、森林面積率68%を誇り、高度な木造建築技術を持つ日本にあって、あまりに残念な状況です。
住む人の健康を考えるなら、日本の材でなくともムクの木を使えばよいと言えます。
しかし私達の暮らすこの日本を思うとき、住まいをはじめとした建物を、国産のそして地域の材でつくることは大きな意味を持ちます。
戦後植林された人工林が刈り旬を迎えていながら思うように供給されず、次の世代の森が手入れされずに放置されているのは、日本の住宅行政・林業行政が方向性を見誤り、林業の衰退が進んでしまったためです。
山の放置が続けば、日本の森林は水源・治水・酸素供給・生態系保持の能力を失い、私たちの暮らしにも悪影響が及びます。
そうならないためには、もう一度日本の林業が産業として成立つことが必要で、多くの林産地が再生に向けた取り組みを行っています。
そこで私達に出来ることは、まず日本の木、地域の木を使うことなのです。
アトリエ・ヌックも事務所を置く埼玉県には12万2千ヘクタールの森林があります。
林産地は県西部に位置し、ちょうど半々の天然林と人工林からなり、その多くが私有林です。
住宅着工戸数の多い首都圏に近く、量・質・ともに充実しつつあるのが埼玉の森です。
地域においては、地産地消、地元林業の振興、森林の保全、そして地球温暖化防止をも担う、再生可能で循環する資源として位置づけられています。
<西川材>
300年の歴史を持つ飯能市を中心とした木材の一大産地が西川林業地。
江戸の街に建築材を筏で運び「西の方の川から来る木材」が「西川材」の由来。
<ときがわ材>
町の主要産業が林業・製材業・木工業・建築業である都幾川町で産する木材。
協同組合彩の森ときがわは、木材の人工中温乾燥、天然乾燥に力を入れている。
<秩父材>
秩父広域森林管理組合の秩父市・皆野町・長瀞町・小鹿野町から産する木材。
「木材センター」が市場の役目を担う。大手製材会社あり。
埼玉の木と、アトリエ・ヌックの家づくりをもっと身近に感じていただけるよう、
カタログ「心地よい木の家を」を作成いたしました。
ご希望の方には、無料でお届けしますので、お気軽にご請求ください。