木の家を建てる設計事務所
今回も屋根は金属板葺き。
田島板金さんの作業です。
■ルーフィング敷き
上棟後、屋根野地板張りの後、すぐにルーフィングが敷かれました。
敷くのに先立ち、軒先部分に「折下げ唐草」を設置。
軒先の水仕舞いと風による煽り防止の部品です。
材質は伸縮性に富み、釘打ちしても締りのよいゴムアスファルト製です。
軒先から張り始め、頂部で終わり。
■金属板葺き
この家の形状は矩形の総二階。
単純な切妻で、南ベランダ部分に90cm分葺き下ろしているのが特徴です。
下屋など付属の屋根や寄せている部分もないので、葺きやすい屋根と言えます。
ガルバリウム鋼板の立てハゼ葺きで、製品名は「立平ロック32型フラット」
この屋根材、ジョイントのハゼ部分の形状がよく考えられていて、止水性は期待できます。
この形状は施工性もよく、ジョイント部を重ねて足で踏み込むことで、バツンと嵌ります。
以前立てハゼ葺きというと、ハゼ締め機を使い手作業で少しづつ締めていました。
棟笠木下部分は、手作業で水返しを折り曲げ。
切りっ放しの軒先部分も同様に内側に折り返します。
折り返し後、ハゼ部分にキャップ装着。
葺き上がりです。
この立平ロックは、かなりの緩勾配に耐える防水性の高い製品ですが、この家の勾配は4寸。
4寸勾配とは、水平に10進み、垂直に4上がる、40%勾配のことです。
これくらいあると瓦葺きも可能な角度ですが、今回は内部の空間構成と外観上この勾配としました。
葺き終える頃になって小雨が降り始め、ぎりぎり作業は終えられたとのこと。
この勾配で、濡れた金属板たて葺きは非常に滑りやすく、プロの職人さんにとっても危険なのだそう。
無事終えられ何よりでした。