木の家を建てる設計事務所
上棟後屋根を葺き終え、上からの雨を凌げるようになれば、次は外壁づくりに進みます。
まずはサッシの設置から。
サッシの枠は4周を部材に釘で留めつけます。
そのための縦部材は柱か間柱、横部材が「まぐさ」「窓台」で、これを先行して入れていきます。
そしてサッシ枠を設置し、障子部分(ガラスの入った動く部分)を建て込んで行きます。
これらは大工さんの仕事です。
この家でも、玄関ドア以外、大小とりまぜ24箇所にアルミサッシが付きます。
次が「ラス板」張り。
ラス板とは、9~15mm程度の厚みの板で、塗り壁仕上げの下地材として使う部材のことです。
隙間をあけながら横張りしていきます。
次に防水紙張り。
万が一、雨が外壁の仕上げをも通って浸入してきても、内部に及ばないようこの位置で防水措置を取ります。使用しているのはセーレンの「モルタルラミテクト」。
室内で発生した水蒸気は通し、外からの雨の浸入は防ぐ、いわゆる透湿・防水シートです。
雨の浸入しやすいサッシ廻りは、別途防水テープで塞ぎます。
外壁を仕上ていくにあたって、厄介なのは屋根から落ちる雨の跳ね返し。
これを軽減するため、このタイミングで軒樋を設置してしまいます。
縦樋は仮のビニールホース。
屋根には雪止め部材が見えます。
次の工程はラス網張り。
塗り壁仕上げでは、ペースト状の素材を厚みを確保しつつ壁下地としっかり密着させるために、金属のメッシュを張りめぐらしますが、これがラス網です。
この家の仕上げ「そとん壁」ではラス網もメーカーによる波ラスとの指定があり、波打つことでラスが立体的になり、塗り厚を確保しながらより剥離しにくくできます。
網と網の重ねしろも十分に確保。
ラス網を留め付けるステープルの足長さや間隔が、ひび割れしにくい塗り壁のポイントになることはあまり知られていません。
この家では19mmの足長さで@10cm以内で留めつけています。
ちなみにこうして仕上げた壁は耐震性もあり、構造用合板と同等の耐力を有するとも言われています。
外壁は、この後そとん壁の中塗り→仕上げ塗りへと進んでいきます。