木の家を建てる設計事務所
上棟後、現場でずっと続いていた大工工事が、終盤です。
外のベランダ手摺や、面格子は足場解体の前に済ませていました。
ベランダやデッキのスノコ床張り、
内部は、壁や天井下地の石膏ボードを全て張り終え、細かな造作工事を片付けていきます。
階段に面する廊下の手摺制作
玄関靴入れの箱部分も大工さんが造ります。
扉は、箱サイズを採寸して建具屋さんが制作設置します。
キッチンキャビネット脇の側板設置
書斎のデスク板設置
これら広幅の板は、飯能のフォレスト西川さんにサイズオーダーしたものです。
ここは押入脇に建具が引き込まれる部分。
壁は作らず一旦大工さんは引き上げます。
その理由は、、、、インテリアに現れてしまう部分に続く漆喰仕上げを、左官屋さんが施工しやすいように、です。壁を作ってしまうと、見えない中、手を伸ばしての作業となってしまいますから。
そして、最後に残した大仕事は、「階段」でした。
加工した段板と側桁。
二つの曲がりを持つコの字平面のこの家の階段は、大工さんにとっては「一番厄介な仕事」とのこと。
どう納めるか、考え込む棟梁父。
化粧の親柱にストリップ階段が絡み、真壁造りの壁とも取り合う。
とにかく「これは難しいよ~、どう納めるか考えて図面描いてる?」と厳しい言葉が飛んできました。
3尺モジュールの設計において、階段を少しでも広くスッキリとさせようと思うと、どうしても真壁納まりにしたくなります。
でも、絡みが多く納めるのは大変なのもわかります。
そういえば、前の現場でも、折り返し階段間の壁を厚板一枚で納めてもらいましたが、監督さんからも棟梁からも「もうやりたくない!」と言われてしまいました。すごくスマートに仕上がったんですけどね。↓
では、出来ていく過程の写真を並べました。
2階から側板の印し付けの補助で呼ばれた棟梁
9枚目の段板を納めるために、押入側の壁を仕上ずに残してあります。ここからしか入らない!
「この階段、茂木さんじゃなきゃ出来ませんから!」と何とか取りなし、造っていただきました。
ブツブツ言いながらも、ちゃんと図面どおりに造ってくださり、さすが!
手摺はなぜか棟梁が担当。
二つの曲がり部分の一方は3分割、もう一方は分割無しなので、自ずと手摺の勾配は不規則に。
加工したスギの角材を連続させていくので、外しては合わせを繰り返しての、こちらも手間のかかる仕事となってしまいました。
形は完成させたものの、ブラケットを残し壁に取り付く手摺は設置せずに引き上げです。
これも左官屋さんの漆喰塗りを考慮してのこと。
階段も手摺も完璧な出来栄えです。
玄関を入って正面、まず目に付くこの家の見せ場となりました。
茂木棟梁親子、正味3ヶ月半ありがとうございました!
振り返ってみると、これだけの仕事量にしては早い進みでした。
棟梁を張れる人が二人でやって、手際よく手戻りが無い。これに尽きますね!