木の家を建てる設計事務所
用いる材料や各部の形状など、設計段階で概ねは決めてしまっていますが、現場の進捗に伴い、建主さんに判断いただかなくてはならない具体的な事柄が出てくるものです。
着工後の変更や、現場で解決すればと先送りした問題などは、トラブルにつながりやすいもの。
ingの中での見積もり変更や、材料・人の手配の変則などは、工事の遅れやコストアップの問題が必ず絡んでくるので、できるだけ設計段階で答えを出しておけるものはそうしておくのが賢明です。
それでも着工後に検討することになるのは、工事進行上発生するちょっとした変更に関する許可や、空間の形が出来てきたからこそ決断しやすくなる各部のカラー選びなどです。
それぞれに材料の手配や制作順などにより、チョイスのタイムリミットがあります。
仕事が止まったり手戻ったりすることの無いよう、何をいつまでに決めてもらうかに、いつも気を使います。
職人さんたちにとっては一度造ったものを直したり、ましてや壊さなくてはならない事態は最も避けたいことですから、建主さんが「こういう風になるとは思わなかった」との言葉を発することの無いよう、設計者は問題となりそうな箇所を読んで、事前事前に説明を行っておく必要があります。
建主さんの方も、説明を受けよく理解し、適時に答えを出していく姿勢で臨んでいただきたいと思います。
ユニットバスや住設機器は、着工したら早い段階でショールームに確認に行ってもらったり、詳しいカタログで見積の内容を把握しておいてもらいます。
左官の塗り材や特殊な樹種などは、サンプルを用意して、実際の現場に置いてみて判断すると間違いがありません。
納まりの変更なども、使い勝手に影響する内容や、建主さんが気にかけていたデザインに関わることであれば、確認を欠かさないようにします。
ここ戸田の家の現場でも、現場監理の度に写真と共に進捗を報告し、2~3週に一度の割合で現場打ち合わせに参加していただきました。
職人さんからたたみ表の説明を受ける建主さん
打ち合わせに参加していただくだけでなく、この現場では建主さんによるDIYも。
雨戸戸袋鏡板の蜜蝋ワックス塗り。
面格子の「ウッドロングエコ」塗り
他にもベランダやデッキのスノコ板も塗装いただきました。
工事もゴールが見えてきた今、暮らし始めてからのことにも目を向けます。
窓のカーテンやスクリーン選び、家電品や細々とした必需品の入手も。
先日は家具のショールームにご一緒し、食卓と椅子、ソファとテーブルを選んできました。
刻々と出来上がっていく現場を眺めたり、家具選びなど楽しい作業がある一方、
引越しや登記など、避けては通れない大仕事も控えています。
建主さんが最も多忙になるのはこれからです!