木の家を建てる設計事務所
棟梁が担当する2階の方も、着々と大工仕事が進んでいます。
なので、下地仕事というより仕上げの段階に入ってきています。
この家は2階にリビングのあるいわゆる逆転プランです。
屋根の勾配が空間に生かせる点が、1階リビングにはない点ですね。
ロフト利用と屋根なり天井の組み合わせのデザインとしました。
ロフト出入口部分壁下地。
棟位置と間仕切りに微妙なズレがあるのですが、図面をよく読み込んでくれていて、バッチリ納まっています。
概ね完成したロフト。
勾配も緩く梁間寸法も小さいため、あまりボリュームの無いスペースで、専ら物置利用です。
この狭い空間での作業は、上背のある棟梁には大変ですね。
ロフトの床が、そのまま階段やキッチンの天井となっています。
床板を支える根太も露わしで、これを〝根太天井〟とか〝踏み天井〟と呼びます。
ロフト床面よりも、こちら側の見た目を重視して、板を選び配置してありました。
屋根の下がった部分の90cmほどは、ロフトに使っていません。
「この部分は板を脇からでなく、上端から3本づつのビスで留め付けておきました」とのこと。
つまり、そうすることでより水平の剛性が上がり、材の暴れを拘束できるだけでなく、柔らかくなりがちな屋根面をしっかり固めることができるわけです。さすが!
ロフトのない部分の天井構成。
ここでも桁(屋根の一番低い部分)近くの90cmほどは水平天井。
中央部分を舟底(左右対称に折れた形状)天井としています。
水平部分は唐松の板張りですが、両翼で板の張り始め位置を揃え、左右対称にこだわっています。
格子間仕切りの足元。
横材は、きちんと目が連続するように配してあります。
小上りの畳部分の上り框が付きました。
栗材です。
猫土台用に注文した栗材が、数本余分にあり、これを各所の框や枠に使えないかと、無理な注文をしていました!
玄関の上がり框や巾木などにはスムーズに使えたのですが、、、。
畳コーナーの上り框は3m強の長さが必要。
残った材を利用するとなるとどうしても割れや疵が露われてしまいます。
一般的な桧材に替えてしまうという選択肢もありましたが、せっかく縁のあった栗材。
使わないのはもったいないし、栗独特のはっきりした木目も魅力的です。
建主さんとも相談し、やはり使ってもらうことに。
ただ丁度目立つ位置にこの大きな節と割れが。
足が触れる部分なので危険でもあります。
割れの部分を切り取って同じ栗材で埋木をしてもらいました。
「浮いたり、取れたりはしないはず」と棟梁。
これはこれでいい味になると思います!
イケメンと評判(?)の茂木棟梁、36歳。
棟梁親子のワンボックスカー内部。
きちんと道具が整理して置かれています。
丸ノコやコンプレッサーなどの電動工具も、毎日ここに積んで持ち帰っています。
こういうところからも、大工さんの仕事に対する姿勢が読み取れますね。