木の家を建てる設計事務所

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物干し考-室内編

2017/06/26

色とりどりのアジサイが美しい季節ですね。
今週の関東は梅雨空が続く予報、皆さんのお宅でも洗濯物が部屋のあちらこちらにぶら下がっている状態かもしれません。

物干しのことを取り上げてきたブログ記事、3回目の今回は「室内干し」です。

「洗濯物を室内に干したい」。一昔前に比べてこの要望が確実に増えてきました。
お話を伺うと、単に雨降りだからということでなく、屋外に干せない、干したくない、以下のようなさまざまな理由があるようです。

屋外環境が心配
花粉、排気ガス、砂埃、黄砂、強風、虫、鳥の糞害などなど、地域・場所によっては、外の環境がよくない場合も多い。
花粉症の人にとって、洗濯物を花粉に晒すのはもってのほか。
物干し竿や手すりの汚れを毎日拭くのも面倒...。

乾ききらない洗濯物
天候の関係や時間不足で、取り入れる際に未だ乾いていないことがある。
乾ききらない洗濯物を吊るしておく場所が必要。


部屋干しの方が乾く

寒い時期など、暖房の効いた部屋の中の方が温度は高く湿度が低く、外に干すより早く乾く。

洗濯物の色褪せ
直射光が長時間当たる物干し場は、紫外線による洗濯物の色褪せや繊維の劣化を早めてしまう。
洗濯バサミやハンガーも、紫外線により傷みが早い。

干す、取り入れ、ができない
日中留守で、タイミングよく洗濯物の取り入れができない、
夜のうちに洗濯をしてそのまま干したい、厳冬期の物干し作業が辛い、など室内干しの方が無理がない。

洗濯物とプライバシー
下着類や所属がわかってしまう衣類など、見られたくたくない洗濯物がある。
また女性だけの家族の場合は、プライベートが察しやすい洗濯物を、人目につくところに出したくないという思いも。


以上のような様々な理由から、外物干しに加えて室内にも物干し場を、と多くの建て主さんが望まれます。
中には「外では干しません」という完全室内干し派も。
室内物干しスペースは、もはや現代生活にはなくてはならない場所のようです。

そして部屋干しというと、窓前にちょこっととか鴨居にかけてなど、急ごしらえのイメージがありますが、上記のような状況を考えてみると「常に干しておける場所、ちゃんと乾く場所」としての室内物干しが必要なことがわかります。

■通路が室内物干し場
共働きのSUさん宅では、二人の小学生がおり、洗濯は一日も欠かせません。
物干しのメインは2階南面のベランダですが、外に干しづらい物や乾ききらなかった洗濯物の干場として、
通路部分にパイプを渡し物干しスペースとしました。
洗濯機のある脱衣所と、ベランダを繋ぐ動線上に位置し、外から取り込んだ洗濯物の仮掛けにも活躍しているとのこと。
階段と小さな吹抜けに接していて、空気の流れがよく、洗濯物の乾きが早いと言います。
リビングからは見えず、通行の邪魔にもならず「この家になくてはならい場所!」だそうです。
p suzu01.jpgplan suzu.jpg

因みにこのお宅では、脱衣所を広く取り、収納も設けたことで、
物干しからアイロンがけまで洗濯に関わる一連の家事をコンパクトに行えるつくりになっています。
p suzu02.jpg

■吹抜け上部に物干し
Oさん宅も3人の小さなお子さんのいるご家族です。
Sさん宅同様、ベランダ以外に室内物干しスペースを希望され、
リビング上部の吹抜けの一部に、スノコ床を設けました。
吹抜け上は空気の動きがあり、陽当たりも得られ、物干しにはうってつけの場所です。
ベランダに直接出られ、洗濯物の取り込みや仮掛けにも活躍。
3_dsc6805.jpg

たくさんの洗濯物を吊るしても、下のリビングからあまり目障りでないのも吹抜け上物干しの利点です。
隣接する寝室から出入りします。
p oma.jpg

■外に干さないという選択
重めの花粉症ご家族のいるSOさん宅では、洗濯物は外に干さないとの方針でした。
天窓のあるドライルームをつくり、天井に昇降式の竿を2列に設置し、洗濯物を吊るします。
天窓からの日射と専用の除湿機により、ドライルームだけで洗濯物干しが間に合っています。
隣室は家族共用のクローゼットで、乾いた洗濯物をスムーズに収納できるように計画しました。
p soto01.jpg


いづれのお宅でも、洗濯物干しを家事の中でも重要視していらっしゃいました。
洗濯に関わる家事がスムーズに進むと、生活を営む上でのストレスが減り、暮らしを楽しむゆとりが生まれるようです。
洗濯物を室内に干すのは希望だけれど、リビングが占領されたり、家のあちこちに散在していたり、洗濯物のせいで湿気やカビの問題が出たりでは、却ってストレスが増すことになります。
役に立つ室内物干しは、家の間取りやつくりと密接に関わって実現します。
プランニングの際からよく検討してつくられることをお薦めします!

埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
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