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構造体に合板を使用せずに、耐震等級2以上を

2017/05/29

久しぶりの更新で、ご無沙汰いたしましたこと、お詫び申し上げます。
設計、現場、諸々研究会、家事、遊び(主に自然探索)がいつもing状態で、振り返ることもなく日々が過ぎ。
などと言い訳を...(苦笑)。

さて、構造用合板を使わずに、耐震性の高い木造住宅をつくろうという試み、形になってきました。
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■合板フリーを目指す意味
耐久性や健康への影響に不安のある構造用合板を用いずに、近い産地の木材(製材)を使うことで、長期優良住宅の規定をクリアしようとの発想でスタートした試みです。

国の定める長期優良住宅では、劣化対策と並んで耐震性が重視され、品確法の性能表示でいう耐震等級2以上が求められています。

建築基準法では、小規模な木造建物の耐震性において、壁の強さや量の規定はあるものの、床や屋根構面については何ら規定がありません。
実際は、地震や風の水平方向の力が建物にかかった時に、水平面である床や屋根構面の耐震的役割は、壁と同様にとても重要なのです。

そして近年建築基準法は変わらずも、水平構面の強度が重視されるようになって以降、床や屋根の下地に、強度の高い構造用合板が用いられるようになって来ました。
「剛床」と呼ばれるこの工法は、上棟を終えてすぐに床下地に構造用合板を張るので、工期短縮と作業の足元を安定させ好都合ということで、瞬く間に町場の工務店の作業現場にも普及しました。

がしかし、夏場の屋根裏は温度が70℃にも達すると言われ、床下の湿気が接着剤に与える影響など、構造用合板の耐久性を不安視する声が、一方では聞かれるようになりました。
また、シックハウスやアトピー性皮膚炎の方にとって、化学物質である接着剤はなるべく遠ざけておきたい存在です。

■一般流通の製材(無垢板)品でつくる強い床
そこで、「健康な木の家に住みたい」を標榜し、木と漆喰の家づくりを進めるグリーンエア工法(http://greenair.kinoie.org/)研究会で、2014年から取り組んできたのが、「斜め張り構法」の開発です。

木材産地で最もポピュラーな杉材で、一般に流通している寸法の製材品のみを使い、板を斜め45度に張ることで、水平面の耐力を得ようというものです。

床面と屋根面について、強さと施工の合理性、設計の汎用性を求めて、さまざまな斜め張りのモデルを考え、加力実験を予備試験⇔本試験と繰り返してきました。

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職業能力開発大学校の協力を得た加力実験。

現時点で、床2タイプ、屋根2タイプについて、期待通りの床倍率(壁倍率と同じように床の強さを表す指標)を得ることができ、実用化が叶っています。

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床で4棟、屋根で2棟、で採用しています。

この研究会には、取りまとめのコーディネーターはじめ、大学の研究者、木材供給者、施工業者、設計者が参加し、多くのメンバーの経験と知恵が生かされてここまで来ました。

この工法を定型化し広めるための手引き(マニュアル)も原型が出来上がり、今後多くの建物で使われていくことになると思います。

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試験体図の作成、マニュアルの図は、アトリエ・ヌック/勝見が担当しました








埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
新築・リフォームのご相談、土地探し、耐震診断、既存住宅調査など、小さなことでもお気軽にお問合せ下さい。

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