木の家を建てる設計事務所

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古家解体に伴う、もろもろの事

2016/06/09

建て替えとなる杉並の家。
既存家屋の解体が概ね終わりました。

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築年ははっきりしませんが、既に100年に近いのでは...というのが建て主さんの言。
残し改修することは選択せず、周囲からは惜しまれながらも取り壊しました。

家屋の解体は滞りなく終わったものの、付属的な部分でいくつか想定外のことが発生。

★井戸の話
長年使用してきた井戸も、今回の解体で埋めてしまうことになりました。
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で、職人さんが、ポンプを外して掘り始めたのですが、細い土管が続くばかりで、所謂大きく丸い筒状の井戸が現れません。
井戸とはそういう形のものだと思っていた建て主さんも私も???

ユンボで掘れる2メートル近くまで進んでも直径15cmほどの土管だけ。
解体の親方が言うには、ここまで掘って丸井戸が現れないのは、「打ち抜き井戸」という少し簡易なタイプの井戸なのだそうです。

掘った底の付近で土管を取り除き中を覗くと、チラチラと揺れる水面が見えました。
石を投げいれると、すぐにポチャンという音が。

直径2尺くらいの所謂丸井戸は、正式には「掘り込み井戸」という名で、太い分、たくさんの水を溜めておけて、安定的に水を供給できるのだそうです。
これにに対し、細い管を使った打ち抜き井戸は、水脈の流れによっては汲み上げ水が足りなくなったり、堆積物で詰まってしまったりすることがあるそうな。

しかし建て主さん曰く、年十年も使ってきて、水が上がらなくなったのは一度きりで、ずっと順調だったとのこと。
よい水脈に当たっていたのですね。

井戸を埋めるために大量の砂を用意してもらっていましたが、この井戸は多分そんなに入れずに埋まってしまうだろうとのこと。
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慣習通り、一応息抜き管(細い塩ビ管)をいけ込んで、長い間お疲れさまでしたと、井戸は閉じられました。

★樹木の抜根
建物が古いということは、同様に庭木の樹齢もそれなりです。
IMG_4106.JPG
サワラ、杉、松など、敷地北側の樹齢のいった木々も伐採することになりました。
伐採だけでなく、抜根までしていただく予定です。

まず、根元を1.5m位残しチェンソーで切断。
014.JPG

残した株をてこに、ユンボで根を引っ張り出す作業を行います。

樹高からして根が相当張っていることは予想できましたが、、、できれば傍にある万年塀はそのまま残しておきたいのが希望でした。

が、株に力をかけて傾けようとすると、連動して塀が持ち上がってしまいます!
人力で地中の大きな根を切るなどは到底無理。
万年塀は諦めざるを得ず、抜根と同時に解体撤去となりました。

★水道引き込み管
水道管は、道路下の本館から枝分かれし、各敷地に引き込まれています。
少しおいて水道メーターが設置され、それより中は宅内配管となり建物解体と同時に撤去しました。
道路から引き込んでいるメーターまでの配管は、建て替えあともそのまま使用するので、メーターごと残しておかなければなりません。
ところが、ここでも抜根の問題が...。
メーターが道路際の松の木のすぐ脇にあるのです。
060.JPG

松の根は、メーター付近の土を持ち上げている様子なので、ユンボを使って抜根を行ったら引き込み管を破損する可能性大です。
そうなったら、管から水が吹き出し大変なことになります。

水道屋さんに来てもらい、引き込み管を一旦切断し、抜根してからまた繋ぎ直すしかないのか...。

こういう時の判断は実は非常に難しいものがあります。
✔この部分の敷地は売却するので、根を残すことは基本的にNG!
解体の工程上、水道屋さんにすぐにでも来てもらわなければならないのか?
引き込み管は宅内配管と異なり、区が埋設したステンレス管のはず。申請が必要なのでは?
水圧のかかったステンレス管の切断&繋ぎとなると、少なくない追加費用がかかり、建て主さんの了解が必要?
✔抜根が終わったらすぐにつないでもらわないと、汚した道路の清掃もできない?
などなど、とても頭の痛い状況です。

で、とにかく軽く掘ってみて配管の状況をまず確かめようとのことになり...
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案ずるより産むが易し、でした!
松の根をかわすように所々曲りながら配管されていた引き込みステンレス管は、曲り部分がジャバラ仕様になっており、多少の移動に耐える様子。
そっと動かすことで、松の根から距離を取ることができました。
これで抜根が済めば元の位置に戻すことも可能。
あちこちに連絡を取ったり、解体の職人さんたちとの喧々諤々も杞憂に終わりました。

持ち上がったどの問題も、何とか終着点を得てホッ。
これも、建て主さんや監督さん、職人さんとのコミュニケーションが取れているからこそ。
日頃の関係づくりが大事だな~と痛感した次第でした。


埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
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