木の家を建てる設計事務所

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ガスコンロは焼き網NG!

2016/05/14

キッチンコンロ。
私どもの物件でも、半数の方がIHを希望されるようになってきましたが、
「やはり煮炊きは使い慣れたガスで」と、年齢層が高い建て主さんはほぼおっしゃいます。3_dsc6661.jpg

で最近も、お住まい計画中の建て主さんから。
もちろんガスコンロにしてください。
そして魚は網を使って焼いているので、今後もそのようにするつもり、と。


しかし今どきのガスコンロ、実は焼き網は使えないのです!

コンロ火災を予防するため、近頃のガスコンロにはセンサーが付いているのは、皆さんご存知かと思います。
Siセンサーという安全装置で、いまでは全てのガスコンロに搭載が義務付けられています。
このセンサー、「安全性」だけでなくコンロのさまざまな「便利機能」を実現しました。

しくみは、火口中央にあるセンサー部分が、常に鍋底に接触する状態にあることで、鍋底の温度を感知しています。画像 695.jpg

てんぷら油が高温になりすぎたり、煮こぼれによる立ち消え、長時間のつけっぱなし、鍋の焦げ付き、鍋のない状態での着火などを
察知した場合に、安全装置が働きガスの遮断・消火、弱火になったりが自動で行われます。
参考:http://www.gas.or.jp/renew/

温度センサーがあることで、てんぷら油の温度を一定に保ったり、火加減を自動調節する炊飯機能などが付加され、便利さが向上しました。

しかし、これによりコンロ上でできなくなったのが、直火や網を使った調理なのです。

まず、鍋を載せないと着火しない、網状のものは鍋と認識しない、だそうです。
また、底面が網でなくフラットな魚焼き器でも、温度が250℃になると自動消火されてしまいます。
水分を使わない鍋では、過熱するうち設定の250℃はすぐに超えてしまい、消火機能が働いてしまうとのこと。

安全性を得た代わりに、昔ながらのシンプルな調理がまたひとつできなくなったわけです。
時を前後して、別の建て主さんからも「焼き網を...」とのご希望が出たのですが、残念ながらそれは叶わぬ要望となってしまいました。

メーカーは、直火調理はグリルで行ってくださいとのこと。
「グリルは掃除がね~」との声が聞こえてきそうです!





埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
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