木の家を建てる設計事務所

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広い家をコンパクトに区切る、ゾーニング改修

2016/04/01

先日開催したリフォーム完成見学会。
1時間半と時間を絞っての開催でしたが、17名の方に来場いただき、盛況でした。
古く大きめの住宅をどのように改修して住むか、皆さんの関心の高さがうかがえました。
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60年の間に増改築を繰り返してきたこの住まいの床面積は38坪。
2人住まいで、高齢者の移動や冷暖房効率、清掃のしやすさなどを考慮すると、38坪全部を日常的に使う生活は合理的ではありません。
2人の主な生活の場を、コンパクトにどのように区切るかが設計の大きな課題でした。
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改修前:広さはあるものの使いにくい間取りで、収納不足と。

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改修前:段差多く、高齢者には住みづらいつくり


この住まいは1階/30坪、2階/8坪という、昨今主流の総二階住宅とは異なり、上下の面積比の大きい建物です。
1階だけを生活の場とするという選択肢もありましたが、建て主さんからは、
日当り・眺望・落ち着きのある2階個室を、
そのまま寝室と書斎として使いたいとの希望が出ました。
そうなると1階では、高齢者寝室・居間食堂・水廻りを集約して設定し、それ以外の箇所はバックヤードや予備的スペースにという道筋が見えてきました。


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2階は日当り抜群


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水廻りを、断熱エリア内に、高齢者居室近くに移動。


1・2階の主な生活エリアにはきちっと断熱気密を施し、そのエリア内は気配の伝わるオープンな暮らしができるように、動線やつながりを重視したプランニングを行いました。断熱エリアは22坪、玄関を含めた非断熱エリアは16坪の区分けとなりました。

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居間。回遊性ある間取りで、高齢者居室や他室への動線を考慮した


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キッチン奥は非断熱エリアに続く

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居間、水廻りに隣接する高齢者室。窓にはインナーサッシ。

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断熱エリア外の納戸。仕上げ材もリーズナブルなもので。

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玄関は頻繁に使う場であるが、断熱エリア外に。
特徴的なガラス張りの壁を残したため。



リフォーム後、生活を開始した建て主さんによれば、
・以前の寒い家がうそのように暖かくなりました。
・以前は陽が落ちると急に寒くなりましたが、暖かさが朝まで持続する感じです。
・夜も小さなファンヒーターで十分な暖かさが得られます。
・勝手口や納戸(非断熱エリア)に行くと、床と空気が冷えていて、その差の大きさを痛感しました。



こういった、エリアを区切って行う断熱リフォームを、ゾーニング改修と呼びます。
ゾーニング改修時に配慮が必要なポイントは、断熱エリアと非断熱エリアを仕切る壁や出入り口(境界)にも、断熱を施すことです。
暖房をしない非断熱エリアは、外気ほどではないものの断熱エリアとの温度差は、必然的に大きくなります。
断熱は外気に接する部分にのみ行うのが通常ですが、この家では室内の境界にも、内部結露防止も想定した断熱を行いました。

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境界壁に断熱施工

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境界ライン上の出入り口は、気密断熱に配慮した建具を。


非断熱エリアは、使用頻度の少ないスペースでもあり、間取り変更も内装更新も最小限に抑えました。
耐震補強や劣化修繕は、建物全体を見据えて行う必要があるのに対し、断熱の
ゾーニング改修は、部分リフォームが自在に行えます。
規模の大きめの住宅でも、生活のエリアを効率よく線引きすることで、全体コストを抑えつつ、必要な部分には手厚いリフォームが行える有効な方法であることが、実証できました。

 

埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
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