木の家を建てる設計事務所
長期優良住宅の認定を受けた板橋区の物件が、年末ぎりぎりになんとか着工なりました。
認定を受けるには、諸々の基準を満たした内容で設計をするのですが、それを評価機関に申請し内容が適合しているかの技術的審査を受けなくてはなりません。
建築確認が通った後、「長期」の、審査依頼書を始め設計内容説明書、諸々の図面、計算書、サッシや断熱材の仕様証明書など、たくさんの資料を揃えて提出します。
小さな木造2階建ての住宅でも、ずっしり分厚い書類の綴りになります。
作成する方も大変ですが、見る方も大変。今回は建物が長屋で、「長期」では共同住宅の扱いとなるため、戸建て住宅より基準の項目が多く分厚くなり、審査にも時間がかかりました。
評価機関の適合を受けたら、今度は認定機関である所管行政庁(今回の場合は板橋区)に回り更なる審査を受け、やっと認定がもらえるという流れです。
工事の着工予定が迫る中、評価機関のノンビリした対応にじりじりしつつ、指摘があれば速攻で図面差し替えなどに走りました。
技術審査をクリアしたら今度は区へ持ち回り。
何と、認定が下りるまで2週間はかかるとの答えに一時は青くなりましたが、申請受け付けが済めば着工はOKとの許可が下り、無事工事着手となりました。
で、年が明け、細かな書類上の訂正事項に対応しつつ、やっと認定をもらえそうです。
こうまでして、長期優良住宅にこだわるのには、、、
この住宅は国交省によるブランド化事業の地域型住宅「森とまちをつなぐ彩の木の家」(グループ名:彩の木の家ネットワーク)として、国の補助金をいただく申請をしており、補助金を受ける条件として、グループが提案している地域型のシステムに則っていることに加え、長期優良住宅の認定を受けた住宅であることが求められるのです。
この補助金を受ける住宅は、我々の設計監理物件としては3棟目となります。
この建物のように集合住宅の場合は、基準を満たす住戸ごとに補助を受けることができるという、建主さんにとってとてもありがたい施策なのです。
今後は工事進捗に合わせ、、グループが定めた内容に基づいた施工がなされたか、出荷証明など諸々の書類を整えて実績報告を行う必要があり、それは我々の手を離れ、工務店さんの仕事となります。
<長期優良住宅とは>
住宅を長期にわたって使い続けることで、解体による廃棄物を減らし、環境負荷を軽減する。また、建替えに要する国民経済全体の負担を軽くし、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図る。これらを大きな目的とした「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が20006年に制定され、認定制度がスタートしました。
①丈夫で長持ちする
②住む人の変化に対応できる
③住み続けるための計画がある
を前提に、耐震性や省エネ性、劣化対策など10の項目で細かな条件が定められています。
この条件を満たし「長期優良住宅」の認定を受けると、所得税や固定資産税、不動産取得税の優遇が受けられるほか、住宅金融支援機構では専用の優遇ローンが設定されています。
<地域型住宅ブランド化事業とは>
地域材の供給から設計・施工に至るまでの関連事業者が連携して、地域資源を活用して地域の気候・風土にあった良質で特徴的な 「地域型住宅」の供給に取り組むことを支援し、地域での木造住宅生産・維持管理体制をつくり、地域経済の活性化と持続的な発展、地域の住文化の継 承及び街並みの整備、木材自給率の向上による森林・林業の再生等に寄与することを目的とした制度です。中小住宅生産者等が他の中小住宅生産者や木材供給、建材流通等の関連事業者とともに構築したグループを公募し、グループ毎に定めら れた共通ルール等の取り組みが良好なものを国土交通省が採択し、採択されたグループに所属する中小住宅生産者等が当該共通ルール等に基づき木造の長期優良 住宅の建設を行う場合、その費用の一部を予算の範囲内において補助する制度。
ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
新築・リフォームのご相談、土地探し、耐震診断、既存住宅調査など、小さなことでもお気軽にお問合せ下さい。
埼玉の木と、アトリエ・ヌックの家づくりをもっと身近に感じていただけるよう、
カタログ「心地よい木の家を」を作成いたしました。
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