木の家を建てる設計事務所

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柱・梁全数検査

2017/11/02

O邸、3週間後の上棟を前に、構造材の検査を行ってました。
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場所は、木材を供給いただく「彩の森ときがわ」の材木乾燥&集積施設です。
測りやすいように、ユニックを使って材をずらりと並べておいてくれました。

検査の目的は、材の「強度」「含水率(湿り具合い)」「節や割れの状況」を計測・確認することです。

O邸は耐震等級2以上で設計しており、それを構造計算を行って確かめています。

使用する杉材が、計算で想定した強度を満たしているかが一つのポイントとなります。

木材の強度はヤング係数の大小で表わされます。
厳密に測定するには材を一本一本機械にセットして測る「グレーディングマシーン」が必要なのですがコストがかかり過ぎ、小規模な木材組合では所有できません。

なので、携帯型の木材診断形を用いての簡易測定を行いました。
木材を叩いて発生した周波数を拾い出た数値から、ヤング係数表示
E50、E70、E90に大別します。
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含水率も木材強度と変形に関わる重要なデータです。
これも専用の簡易測定器を、材表面に当てて測ります。
当てる場所は材の両端と中央付近の3か所で、平均を取ります。
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含水率が高いと、材の強度に安定性が無く、建築に使われて以降乾燥が進む際に、大きな変形や割れを起こす可能性が高くなります。
そのため、この時点であまり高いものは外す必要があるのです。

もうひとつの注目点は「見た目」です。
O邸は、小屋梁の殆ど・柱の半分・床梁の3割程度が化粧材として、インテリアに露しで見えてきます。
特に目立つ使用箇所についてはできるだけ、割れや死んだ節、色の悪さの無いものを配置したいと思っています。
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梁の場合、支持点が飛んでいたり、上の階の柱を支えている場合など、荷重を受けて曲げの大きな力がかかってくる場合があります。
そのような時、中央付近の下端の辺りに大きな節があると、荷重に耐えられず計算以上にたわみが起こることになるので、注意が必要なのです。

ということで、6人かかり手分けして、材のチェックに当たりました。
こちらで用意した、木拾い表から起こしたリストのナンバーに合わせ、材の木口に番付をチョークで書きこみながら、リストに測定値を書むという作業でした。
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幸いなことに、NGで交換いただく材はわずかでした。
梁材の4寸角のうち、平均含水率が45%を超えるものがあり、その数本です。
強度に関しては、ヤング率E50に分類される梁材が何本かありましたが、小さな曲げ荷重しかかからない箇所を指定して、そこに配することで問題が起こらないようにしました。

土台の桧もチェック。
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6m、5寸角の通し柱
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これで安心して、プレカット加工に送り出せそうです。

出向いたついでに低温乾燥庫を見学。
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昨年導入した新たな乾燥庫は、人が入っても居られる温度の低さ。
材の油脂分や色の良さを損なうことなく、含水率を落とすことができるという、期待の乾燥庫です。
某大学の木材乾燥のエキスパート先生の力を借りて、試験を重ね、もう少しで材の表面割れ抑えつつ理想の含水率まで落とす、効率の良いスケジュールが導けそうとのこと。
楽しみです。

組合からお土産にと渡されたものがありました。
立派なヒラタケです。
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長らくこの集積場に置いてある大きな丸太の表面に、毎年生えるのだそうな。
材料検査の結果もよかったので、機嫌よく夕飯に美味しく頂きました!







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