木の家を建てる設計事務所

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手入れしやすさ重視-今どきのシステムキッチン

2016/04/26

年に何度かは、建て主さんとキッチンのショールームにご一緒します。

うちの設計物件中、
オリジナルキッチンで製作することが3割で、
01_dsc3990.jpgのサムネイル画像


キッチンメーカーのシステムキッチンを採用される方が7割といったところでしょうか。
DSC00210.JPG

オリジナルキッチンのお薦めな点は、別の機会にお伝えするとして。

ショールームを訪問するたび感じる、昨今の傾向について。

システムキッチンメーカーの製品開発は、とどまるところを知らず、次々に新しい機能が生まれています。
中には、華々しく宣伝していたのに、気付いたら廃番になっていたなどという機能も当然あり、購入の際には、長く定番化しているものなのか、自分にとって必要性の高い機能かどうかを、見極めていかねばなりませんね。

で、このところの傾向としては、ニーズも製品提案も「手入れのラクさ」が、ますます重要視されてきている印象です。

代表格が、今のクリナップさんの一番の目玉、流レールシンクですかね。
http://cleanup.jp/sp-nagarail/feature/
シンク底面の水勾配を、排水口に向かってではなく、手前に向けたという逆転の発想に感心です。
吐水が、若干手前向きに放射するよう作られているのがキッチンカランなので、この流れに逆らわない方向に水勾配を取れば、食品クズや洗剤を水流だけでスムーズに排水口へ運べるということです。
なので、シンプルな形状のこれまでのシンクとは異なる形状で、底面の水勾配+排水口へ導くための浅い溝(レール)がプレスで一体成型されています。

シンク面に残るクズなど、桶の水やシャワーで流せばいいじゃないかと感じる方もいるかもしれませんが、その手間と余計な水を使わなくてよいことに重きをおく考え方も十分にわかります。

またシンクのステンレス表面には親水性の特殊コーティングが施されているとのことで、油分が水だけで流せるので、シンクの清掃がラクとも。
2~3食作るうちのシンクは、一日で汚れにより曇った感じになりますが、このコーティングシンクは汚れの度合いが違うのでしょうね。
10年ほどで効果が薄れるという点が困りますが。

シンク底表面には、細かなエンボス加工がなされ、疵がつきにくく、ついた疵も目立たないとのこと。
うちのフラットなシンクの底は、十分に疵で覆われ、むしろ目立ちませんが(笑)。

またすごいのが排水口です。
これは他メーカーでも取り入れられつつある仕様ですが、排水の窪みがシンクと一体で作られているため、継ぎ目がなく、当然ステンレス製。
排水口の網かごもプレートも、とにかく継ぎ目なく作られていて、汚れの目詰まりを防ぎ、シンプルな形状は洗うのもラクそうです。

こういった、一体成型プレスやエンボス加工、防汚コーティングなどは、大量に生産することで採算性を確保できる、キッチンメーカーならではの技の数々です。
厚みのあるステンレス板を手板金でシャープに仕上げる、アトリエ・ヌックのオリジナルキッチンとは、対極の価値かもしれません。


これは私も皆さんにお薦めしているのですが、シンクの水栓はホース付きのシャワー水栓がよいと思います。
茹で麺の冷やしや背の高い容器への給水などでも使いますが、最大の価値はホースを伸ばしシンクの隅々まで掃除がしやすいことです。


もうひとつ、お連れした建て主さんの誰もが目をハートにする設備が、
洗エールレンジフード です。
https://cleanup.jp/kitchen/cleanlady/rangehood.shtml#araeru
レンジフードの中で最も汚れるのに清掃のやりにくい、フィルター+ファンの部分を、自動洗浄してくれるというものです。
1か月に1回程度、お知らせランプが点灯したら、少量のお湯をセットしボタンを」押せば、10分ほどで洗ってくれるとのこと。
洗剤を使わないさっぱり感と、節水性も注目ですね。月に一度のことなので、停電なども気にする必要はないという発想ですね。
もちろんお手伝いロボットではないので、整流板やフード内面、外のパネルは自分で拭かなければなりませんが。

他にも、コンロでIHがガスを上回る人気となっているのが、吹きこぼれのこびりつきが少ないとか、そもそも五徳が無く洗う必要がない、油煙を巻き上げないなど、調理面より手入れのしやすさが判断基準となってのことのように思います。

グリルも、少し前までは網に魚を載せて直接焼くため、庫内の汚れが著しいのが不評の主原因でしたが、今は上位機種を中心にプレート付きの網や、専用プレートに具材を置いて焼くスタイルが人気だそうで、庫内はあまり汚れないのだそうです。

扉の表面材も汚れが落ちやすい塗装や、樹脂コーティングは当たり前。
一昔前はあった無垢板の面材など見当たりません。

キッチンの正面や脇の壁にも、目地がつきもののタイルを貼る人は少数派。
大きくツルツルのキッチンパネルが主流です。

私もいつも仕事に追われ、ぐうたらな性格なのでなるべく掃除はサボりたい、と思っています。
なので、ここに取り上げたような様々な機能が魅力的に映ります。

建て主さんも賢い選択をして、ストレスの無いキッチンづくりを目指してほしいと思います。

が一方で、キッチンをきれいに保つことだけを考えていると、あまり使わない方がいい?!といったマイナスの発想に至りかねないので、少し戒めも必要ですね。

キッチンは、
・料理を楽しむ。
・最も重要な「食」を担う。
・素敵な空間、好きな素材。
でもあってほしいと思います。

キッチン選び、楽しみましょう。















埼玉県戸田市で木の住まいづくりに取り組んでいる、建築士夫婦の設計事務所です。

ホッと安らげる無垢の木の家、家事がしやすくストレスのない住まい、光と風を感じる空間、健康負荷の無い自然素材の家、セルロースファイバー断熱の呼吸する住まい、高耐震住宅の設計を得意としています。
『家づくり至高ガイド』&『住宅リフォーム至高ガイド』(エクスナレッジ刊)その他、住宅に関する執筆多数。
新築・リフォームのご相談、土地探し、耐震診断、既存住宅調査など、小さなことでもお気軽にお問合せ下さい。

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